多くの入り江や湾を持つ鹿児島では、昭和33年に試験養殖が始まって以来、各地でぶりの養殖に取り組み、現在、四産地のぶりが「かごしまのさかな」ブランドとして認定を受けている。県内で獲れるぶりの稚魚(モジャコ)を、海のイケスで一~三年間、大切に育てる。
天然ぶりの旬は脂がのってくる冬場だが、鹿児島の養殖ぶりは環境や餌料を管理することで通年出荷を行っており、クセがなく旨味のある脂がのっていることから、国内はもちろんアメリカやEU諸国へも輸出されています。
『鰤王-ぶりおう-』ブランド
『鰤王』は、鹿児島県・長島町の特殊な「漁場環境」と、稚魚から親魚にまで育てあげる計り知れない「愛情」、そして魚を新鮮・安全に出荷する「加工技術」があってこそ、生み出されるブランドです。
長島町のブリ『鰤王-ぶりおう-』は、日本一の生産量を誇ります。その生産量は年間約1万2千トンにも上り、国内・海外と世界中で食されています。
1980年から続く原産地は、東町漁協の港から目が届く前浜です。一年間を通して見守られるブリ。稚魚(モジャコ)から出荷まで、漁場で一貫される養殖によって『鰤王』となります。
ブリ養殖は生産者組合員が家族総出で育みます。病気・赤潮・台風などによる影響は、組合員の家計に直結しており、ブリの育成・環境管理には万全を期しています。組合員の子どもたちも仕事を手伝い、愛着と責任ある養殖が代々続いています。
鹿児島県でブリ養殖をするメリット
鹿児島でブリを養殖するメリットとして、海域の潮の流れが早く、深く入り組んだ内湾が多い環境があります。
また、年間平均水温が19度と温暖な気候ゆえ、ブリの稚魚である「モジャコ」の採捕に適した地域でもあります。
ブリは主に東シナ海で産卵します。ふ化した仔魚が1.5センチくらいまで成長するとモジャコとなり、流れ藻について北上します。
7センチほどまで成長すると、沿岸の浅い場所に移動し、奥行きが深い内湾や内海で完全な魚食性へと変わるまでしばらく生育するのです。
このように鹿児島県はブリの成長過程における特性に合った漁場環境が揃っていることがメリットとなり、生産量を押し上げています。